佐久間象川

アクセスカウンタ

zoom RSS 呆れた高裁判決(続)

<<   作成日時 : 2009/12/25 08:43   >>

トラックバック 7 / コメント 0

 「名張毒ぶどう酒事件」について書く

 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 
2009/11/26に高裁で出た判決、{1999/9に提訴された裁判の控訴審判決}、の記事を、先に書いた:
   ▲ 呆れた高裁判決 :[B-105]:[2009/11/30]
である。

 その記事の概要をまとめると、以下のようになる。

      ★ ★ ★ ★ ★
女性が車内で携帯電話で話しているのを沖田光男氏が注意したところ、女性に逆恨みで、
痴漢行為をしたと虚偽申告された
というのが、提訴した沖田光男氏の言い分である。
不当な留置、近隣や勤務先での信用失墜、などに付いて、沖田氏は女性に賠償を求めて訴訟した。

◎ 1999/9に提訴したが、1,2審は沖田氏が敗訴。 
◎ 2008/11の最高裁で、「2審は審理を尽くしてない」として、1,2審判決を破棄し、審理を差戻し。
◎ 2009/11/26の差戻し控訴審で、東京高裁(大橋寛明裁判長)は、「痴漢行為があったと認めるのは困難」と判断し、1,2審判決を覆した。
  それにも拘らず、「女性が故意に虚偽通報したと認めるには証拠不十分」、とし、沖田氏の請求は棄却した、
のが公訴の経過である。

      ★ ★ ★
 ◎  1,2審判決のように、「容易に考えられる審理を尽くしていない」判決を出すような裁判官は、資格をはく奪すべきだ。 しかも、
 ◎  こんないい加減な判決を出すのに10年もの時間が掛かっているのは、その裁判官の給料泥棒行為に10年の懲役を言い渡したいくらいだ。

      ★ ★ ★  今回の高裁でも、
 ◎ 大切な10年間を冤罪でロスした沖田氏の痛みに対する理解が、裁判官(大橋寛明裁判長)にも無いし、またしても、十分な審議が行われていない。
 ◎ 一般人の常識としては、沖田氏に若し後ろめたさがあれば10年も掛けてこの様な訴訟を続けはしないし、女性が虚偽申告をしたと見るのが自然。
この様な世間一般の常識と隔絶することが専門性だ、と考える現在の日本の多くの法曹関係者は、基本的に間違っている。
 ◎ 裁判官がもしもこの様な常識を持つならば、沖田氏と女性の双方が世間的にどのような一般的評価を受けている人物であるかを調査し、勘案することも、真実を見定める一つの方法であろう。
高裁裁判官も、職務怠慢である。 多くの法曹関係者に毎度見られるのが、この種の「想像力の不足」である。

    ★ ★ ★  テレビでこの事件の検証をしていた。  それを見ると、
 ◎ 相互の身長の関係からみて、また沖田氏と女性の車内での位置関係から痴漢行為を想定するには無理があることがわかる。
 ◎ テレビ局が一日で行った「状況の検討」を、法廷では何故行なえなかったのか。
   それは、裁判官の正義感と想像力の欠如による。
実際の姿を推察する想像力も、冤罪の悔しさに苦しむ被害者の心情に対する想像力もないから、こんな馬鹿な判決を出すのに10年も掛かった。
 ◎ 従来の日本ではこのような無能な裁判官に、公務員の中でも最高の処遇で給料を支給し、
   挙句の果てに叙勲までしてきた →{▲2009秋の叙勲を見て参照}、
 ことも、反省の必要がある。

      ★ ★ ★ ★ ★ 

 以上が、前回の記事の概要である。

 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 


上記の裁判の顛末が報道されてから半月ほど経って、 「名張毒ぶどう酒事件」の報道があった。
 半世紀も昔の出来事で、私などは言われてみれば、そんなことも有ったかな、という程度の記憶しかないのだが、名古屋拘置所に在監中の奥西死刑囚が無実を訴えている、事件である。

前の沖田氏の事件は、諸般の情報から私は沖田氏の主張を信じるが、こちらに付いては、真相は分からない。 
或いは弁護団の強引な作り話か、或いは奥西死刑囚が長年の事案の経過の中で現実とは異なる事件のイメージが脳中に造り出されてしまっているのか、何とも分からない。
 しかし、沖田氏の裁判の経過を見て、日本の法廷のいい加減さから見てきていると、「毒ぶどう酒事件」、も冤罪なのではないか、と思えてくる。 
それで、この、(2009/12/10)の報道の紹介、だけを此処に転載しておく。

 ★ ★ ★ ★ ★ 

◎ 1961年3月28日に、三重県名張市の公民館で開かれた住民の懇親会で、農薬入りぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡、12人が重傷を負った。
 「妻と愛人(ともに事件で死亡)との三角関係を清算しようとした」、と供述した奥西勝が殺人容疑で逮捕されたが、起訴直前に全面否認に転じた。

◎  一審津地裁(64年)は無罪、
   ◎二審名古屋高裁(69年)は逆転死刑、 ◎最高裁(72年)で死刑が確定。  ◎ 高裁は第七次再審請求審(05年)で再審開始を決定したが、  ◎異議審(06年)で取り消した。 ◎再審開始決定の取消を不服として最高裁に特別抗告している奥西死刑囚の弁護団は一月末に答弁書を提出する予定で、 ◎年度内にも最高裁決定が出る予想(第七次再審)。

◎ 一月に84歳になる奥西死刑囚だが、拘置期間も、
  逆転死刑判決を受けた69年9月から40年、
  61年の逮捕からでは48年間の歳月が経過している。
  この間、無罪から逆転死刑、再審決定から取り消しへと、2度に亘って司法判断が分かれた。

  間もなく無実が認められる布川事件の二人も42年間冤罪を被っている。

◎ 「名張毒ぶどう酒事件」の真相がどうか、検察と被告のどちらが正しいのかとは全く別な問題として、
司法関係者の、時間に関する鈍感さと、正義感と想像力の欠如、は非難しておかねばならない。

間もなく無実が認められそうな、布川事件の二人も、42年間冤罪を被っている。
95年3月に12人の死亡者を出したオーム真理教の地下鉄サリン事件では、井上嘉浩は、2009/12/10に漸く最高裁で死刑が確定したが、遠藤誠一、中川智正、土屋正実、新実智光らはいずれも二審で死刑の判決が出ているのに未だに上告中の扱いである。
縄文人の平均寿命は15年、少し前の日本でも「人生僅か50年」と言われたことを、司法関係者は知っているのだろうか。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(7件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
【日記&年末挨拶】「国民が引き受ける政治」と自分の距離感
今年は、マル激を秋から見るようになり、まあ驚くことがままありました。 ...続きを見る
散策
2009/12/31 15:53
現内閣への失望と、長妻氏への期待
前回記事(▲平野博文官房長官)に書いたとおり、 鳩山政権の発足に大層な期待を持った我々のグループの甘さ加減に対し、晩秋氏から水を掛けられて、しかもそれが当っていることをいろいろと見せつけられて、 この新春は実に暗い気分である。 ...続きを見る
変人キャズ
2010/01/10 14:47
腹立たしい「法科優遇」
以前にも書いた「法科優遇」批判を、いま、再び取り上げるのは、                二つの理由がある。 [A] 「飯塚事件」(福岡県飯塚市、女児2人の殺害)、には疑問の    残ることが、指摘されていた。 「足利事件」の元被告の菅家氏の冤罪の報告書を、今年4月1日に    最高検と警察庁が出したが、それによると、91年に行われた    DNA鑑定結果の過大評価が冤罪の引き金になっていた。 ところが、ほぼ同時期の92年2月に発生した「飯塚事件」の被告は、    足利事... ...続きを見る
佐久間象川
2010/06/21 05:36
腹立たしい「布川事件」処理
この記事は前回の、▲[B-121]: 腹立たしい「法科優遇」の続編である。 ...続きを見る
佐久間象川
2010/07/09 15:23
「司法」と「報道」(2)
前回記事に述べた、「司法とジャーナリズム」の関係が、    日本では危うくなっていることを、我々の仲間は、機会あるごとに、    論及してきた。    以下に示すそれらの記事名の後の、●の項目は当該記事    からの引用文など、○は私の意見や注釈である。  例えば、 ...続きを見る
佐久間象川
2010/09/17 21:57
名張毒葡萄酒事件と司法
長い時間を掛ける日本の裁判手続きを経て死刑の最終判決    が出ても、死刑が確定する訳ではない。 最終判決が    出ると、一定の期間の間に刑の執行をしなければならない ... ...続きを見る
晩秋
2012/03/08 05:57
死刑執行に思う(2)
最初に前回記事の末尾に述べた、各自の信条に依って適用される法律を変える(自分で選ぶ)社会の提案: ▲ 性悪説論者の弁(4):[B-51] について、である。 この記事は、大臣就任記者会見で(得々と?)死刑執行命令書へ署名しないこと(法律違反)を宣言する人権屋の大臣を見て、その無責任さと、常識の個人差、とに驚いたキャズ君の怒り ▲感度の有無(7):小泉内閣:[C-136] を読んで、私が得た着想である。 法律を守らないことが立派なことだと考えている法務大臣の説得は、出来ない。 そこで... ...続きを見る
佐久間象川
2012/04/04 07:41

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
呆れた高裁判決(続) 佐久間象川/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる