佐久間象川

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zoom RSS 腹立たしい「法科優遇」

<<   作成日時 : 2010/06/21 05:36   >>

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以前にも書いた「法科優遇」批判を、いま、再び取り上げるのは、
                     二つの理由がある。
[A] 「飯塚事件」(福岡県飯塚市、女児2人の殺害)、
           には疑問の残ることが、指摘されていた。
「足利事件」の元被告の菅家氏の冤罪の報告書を、今年4月1日に
   最高検と警察庁が出したが、それによると、91年に行われた
   DNA鑑定結果の過大評価が、冤罪の引き金になっていた。

ところが、ほぼ同時期の92年2月に発生した「飯塚事件」、の被告は、
   足利事件と同じ、警察庁の科学警察研究所で、同じ技官の手で
      行われたDNA鑑定の結果、 を証拠として逮捕され、
   本人は一貫して犯行を否認した、にも拘らず、
      死刑が確定し、08年10月執行された。

足利事件の被告を無罪と判定する報告書が出ても、 死刑になった
   飯塚事件については、裁判所もマスコミも一切触れていない。 
   起訴、判決の当否も、問題であるが、それよりも、
         疑問を生じる事態に、反応しないのが、大問題。
   科学的技法を使用することよりも、科学的思考態度を学習
   することが、 日本の司法関係者に、最も必要なことである。

[B] 中国河南省趙楼村の趙作海は、12年前に
   男性を殺害し死体を損壊、遺棄したとして、02年に死刑判決を受け、
   その後懲役20年に減刑されて、服役中だった。
 ところが、今年4月31日に殺された筈の男、が村に現れて、警察、
   法廷のずさんさが生んだ冤罪事件が、明かになった。
   5月9日に同省高級人民法院に、趙は無罪判決を言い渡されて
   自由になった。 しかし、趙は服役中に離婚され、自宅は朽ちていた。

地元政府は趙を訪れ、国家賠償金65万元(約860万円)を渡すと共に、
   “あまり取材は受けるな”と言って、当局に責任追及が来ないように、
   工作した。 しかし、国民の非難が集中して、同省政府は
   事件の担当警官と裁判官を処分した、という。

此処で、羨ましいのは、殺された筈の男が現れて、
冤罪が明かになってから、趙が無罪判決を言い渡されるまでの、
   時間が、「9日間しか掛かっていない

                 こと、 である。


日本では、足利事件での菅家氏の、
   冤罪が広く知られてからでも、法的措置が確定するまでの
   長い時間は、いったい何のために要した時間なのだろう。
                   更に、
「担当警官と裁判官を処分」は、日本では、有り得ない話だが、
        その様であったら、どんなに良いか
、  と思う。
               ★ ★ ★ ★ ★

日本の多くの法務官僚は、 「正義のため」 、ではなく、
   「自己保身のため」 、を尺度に、犯罪者を起訴するか、しないか
   を決めていることについて、私の知っていることを
      ▲公務員職務不履行罪の提案 :[B-73]、   に書いた。
   「飯塚事件」に疑問を感じる大きな根拠が、ここにある。

時の流行の話題でなければ、事の重大性に関らず、
   マスコミも取り上げない、のが日本社会の問題点だ。
   今話題の野球賭博だって、昔から可也広く知られている悪事だし、
   相撲界だけの問題でないのも、多くの人の承知しているところである。
   最近それを、折角取上げたのならば、何故、マスコミは
   角界だけのことのような顔をして、澄ましているのだろう。 

足利事件で大騒ぎをして見せても、飯塚事件はどうか、
        という方向に、話が進展しないのが、
        これと全く同様な、日本社会の欠陥である。
   サリドマイドなどの薬害事件の時も、常にそうであった。
   商工ローンの問題も、一般には以前から囁かれていた。
   SFCGの民事再生手続き直前に、親族企業に資産を
   流出させた手口なども、日本では、“大人の常識”
                    のように感じられる。
   速度制限40kmの道路を、60kmの速度で走行するのが、
   日本での“大人の常識”である。

EUの経済問題を考えるときに、独仏国民の常識と、破たんに
   瀕している当事者・ギリシャの国民常識とは、
   大変に乖離している。
同様に、日本国内では、「大人の常識」であっても、
   世界の常識でないことが、 非常に多くある。


   印鑑の使用、一つでも、そうである。

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