佐久間象川

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<<   作成日時 : 2013/09/27 18:40   >>

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ピアニスト・ブログの継承(1): [B-199]:[2013/09/24]、に書いた
   「ピアニスト君、当分の間、新規記事を書くことを殆ど止める他に、
     場合によってはブログを廃棄するかもしれない」、
          とある諸事情、というのは、
goo事務局〈inf0@goo.ne.jp〉から届いた、「gooメールご利用の皆さま
へ重要なお知らせ」というタイトルのメールが発端であった。
今此処でその詳細を紹介するのには、話が長く、
      スペースが無いので、改めての機会に譲る。
   ★ ★ ★ ★ ★ ★
    前回の記事に書いた通りの進行で、 以下に前々回記事
   ▲ ピアニスト・ブログの継承(10):[B-208]、に紹介されている、
★[A-9] プロとアマ: [2005/05/19]、  を
   新ブログの記事に相応しい形に改造、してみよう。

   ★ ★ ★ ★ ★ ★  (ピアニスト・ブログの記事、の改造)

世界的なピアニスト、フィリップ・アントルモンによる7人(6カ国)の若手ピアニストへのレッスンがTV放送されている。
受講者の若手ピアニスト達も、それぞれ輝かしい経歴・実績を持ってウィーンで留学修行中の人達である。 この放送番組で教材に取上げられた有名なピアノ曲などは、当然彼等は子供の頃に既に音楽会などで演奏した曲であろうに、その最初の一小節から直される。 それを見ても私は左程驚かなかった。 プロ中のプロには、要求されるレベルの高いのは当然だと思って見ていた。

私が吃驚したのは、10歳ごろからウィーンで留学修行している仙波瑠璃子さんの、右手の運指法をアントルモンが直した時である。 並べた二台のピアノの内、左側のピアノに向かっているアントルモンは、右側のピアノに向かう仙波さんの右手の指使いが、見えるのだろうか。 大体自分自身がピアノに向かってあのスピードで演奏する中で、隣のピアノの生徒の右手の指使いがどうして分るのだろうかと、私は呆れ返った。
   この情景を見ていて思い出したのは、 (中略)
いま思うとアントルモンは生徒の右手を見ていたのではなく、音を聴いてどの指で引いているのかを感じ取ったのだろうかとも思う。 若しそうだとすると、プロの芸の凄さである。

ところで、このレッスンを見ていて、もう一つ感じた事がある。 あの素晴らしい指導を受ける機会に恵まれた若者達の幸運を思うと同時に、もう一つ、この先生も実に幸せだなあと思ったのである。

これだけ全力を投入して教えることのできる優秀な生徒と巡り合う幸せは、矢張り滅多に得られるものでない。
論語の説く通り「広く天下の俊秀を集めて教育するのは君子の悦びである」のだ。


ここで、私は大学に入った時の学科の新入生歓迎会での出来事を思い出す。
歓迎会席上で学科の若手助教授二人が論争を始めたのであった。 現在と違って、日本中での大学の数も大学教授の数も圧倒的に少なくて、社会的なステータスとして大学教授とは途方も無く偉いものだと思はれていた時代である。 私は、初めて接した日にその偉い先生同士が、それも学生の面前で口角泡を飛ばして論争するのを見て吃驚した。

発端は、ニールス・ボーアが來日した時の講演を聴いた感動を、S助教授が語った事であった。  20世紀最大の物理学者のボーアは「大学の教師は、たった一人だけでよいから優れた弟子を育て上げる事が出来たなら、成功である」と言ったそうである。
後に原子力安全委員会の初代委員長になったS助教授は,ボーアのこの講演に感激した日のことを話された。
ところが、これにN助教授が反発した。「他の学生はどうでも良いという事ではないだろう。 全ての学生に夫々に精一杯の教育を与えるべきだ」と言って噛み付いたのである。
そして私自身は議論の中味よりも、偉い先生方が入学してきたばかりで初対面の学生達の前で、この様な真摯な論争をする事自体に感動した。


特別な才能の持ち主だけを自分の能力一杯に育てる機会に恵まれる人は、極めて希で運の良い人だけである。 この意味で史上最も幸運に恵まれた人物はエルスネルであったろう。
弟子を育てるのに定評のあった彼が弟子であるショパンに宛てた手紙に、教育法の話があるが、正に其処に書かれているとおり、「弟子に模倣でない、自分の道を開かせた」 結果がショパンであった。
ピアノには限らない。 どの様な仕事をしていても同じだと思う。
 
私自身も、そして多くの友人達も、現役を退いている現在、この 「一人でよいから」 の僥倖に恵まれた人はどの位の割合で居るのだろうかと、フト思った

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佐久間象川
2013/10/03 20:33

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