「カルタゴの旅」,補足

この様なことを書くのはAlps氏に対しても、また浜松市民に対しても誤解を生じ兼ねない、乃至は、矢張り失礼な事かも知れない。 とは思いながら、書かずに 居られない。
事の発端はAlps氏のブログ記事「浜松からピアノが姿を消す」を読んで心騒いだのである。
私が前の記事:[2005/9/22]:「カルタゴの旅を想い出しながら」を書いた時には、あれ以上のことを書き連ねる気持ちは無かった。  しかし、・ ・

この「浜松からピアノが姿を消す」を読んで、矢張り心騒ぐのを押え得ず、敢えて前記事の補足として、「地中海クルーズ」の日誌の一部を、公開することにした

一つには、最近のキャズ君の旅行談を聴いたためでもある。 キャズ君はその旅行紀の一章、: 「海外旅行(6)」:[2005/11/24]の中に、アカプルコの没落振りを書いている。
「嘗て、世界的リゾートとして名を売ったアカプルコの没落振りは栄華の儚さを思わせた。 素晴らしい建築の豪華ホテルが無人で取り残され、夜になっても明かりの灯らない姿は無残であった」と。

彼にこの話を聞いた時に、フト、カルタゴの想い出が胸を過ぎった。
勿論、アカプルコは、カルタゴの様に無残ではない。 そして、浜松に至っては現在も何事も起ってはいない。  但し、 ・ ・ ・
人の世の栄枯が移り易いことを示す二つの例を見聞した後で、この「浜松からピアノが姿を消す」を読むと、胸騒ぎを覚えてしまったのである。

それで、前回の記事には、「カルタゴの遺跡の近くの博物館で、当時の人達の生活の痕跡を集められているのを見た時に感じた気持を、 今、改めて思い出し、」
とだけ書いて、それ以上の内容には触れなかった話を、やや詳細にご披露する気になった。

以下に、昨年の「地中海クルーズ日誌」の一部を転載しておく。


地中海クルーズ日誌より、
     「▲カルタゴ遺跡と博物館の見学」

(中略)
丁度、クルーズから帰ってきた直後に、TVでローマ帝国の歴史の話(の第一回)の放送が有り、そこに、私が訪ねてきたばかりのカルタゴの遺跡が映されているのを見て、改めて感動した。
実際に現地に立っと2000年前のカルタゴの繁栄と、その破壊の凄さが想像される。 住居の遺跡、大浴場の残骸などは、当然ローマにあるものと良く似ていて素晴らしい。  武器(投石器の石の大きさ)も信じ難い程に驚異的である。
日本では弥生時代、今から2000年前に、これだけの大規模且つ美麗な近代的な建造物を作っていた文明に感嘆する。

カルタゴの遺跡の中から発掘された素晴らしい出土品が多数陳列してある博物館の中で、私が気にも留めないで通り過ぎようとしたら、そこに居た人(博物館の職員か、来館者の人か分らない)が私に声を掛けて、「バッカスだ」、と言った。
 改めて立ち止まり、良く見て納得。

カルタゴの繁栄と、ローマに滅ばされた滅亡のプロセスは、20世紀後半の日本の姿に非常に良く似ていて教訓的である。
日本の政治家も、歴史を学び、こういう場所を見てくれると良いのだがと、願わずに居られない。  さもないと日本は本当に危ないと、このバッカス像を見て切実に思った。

ポエニ戦争の中間で、非武装により(軍事費負担の無い事で)経済的発展を謳歌し、保護者のローマ市民を怒らせて滅亡したカルタゴの、如何にもそれらしい往時の享楽的な生活を表現するバッカス像。
廃墟から出た陳列品としては最高の意味を持つものと思う。

20世紀後半の日本の経済的発展も軍事費負担の無い事によるもので、自分自身の能力に因って豊かになったと思うのは傲慢である。
各国がGNPの数%から数十%を軍事費に注込まざるを得なかった冷戦の時代に、米国の庇護の下、その様な非生産的な支出を無しで済ませて豊かさを得たのだが、現在の日本人はその辺の理解が欠如しているようで、恐ろしい事である


あの人の一声が無ければ、私はこの一見見栄えのしない像を見過ごす処であった。 後日のマルセーユの件もそうだが、今回の旅行では屡々、この種の僥倖に恵まれたように思う。
ポエニ戦争の当時、カルタゴの城壁の内部に居住する人口は5万人程であったという。 私が質問をするとこういう数字が反射的に、瞬間に出てくるのはガイドのロトフィー氏が良く勉強をしている事の証左であって、感心した。

ポエニ戦争に絡む300人の子供の墓場に案内されて、説明を受けたのだが、残念ながら私もボケが進み、その話を忘れてしまって思い出せない。 何か家系の相続の制度に係わる話だったが。
此処の大浴場はローマ帝国ではカラカラ浴場に次ぎ、第2の規模の浴場であったという。 規模の大きさだけでなく、建造の立派さが現在残る遺跡からも良く伺える(14頁写真)。

此処はAD5世紀に、バンタル人によって破壊された。
現地語で「バンタル」とは野蛮を意味するらしいが、ガイド氏はこの話のついでに、現地語で日本のことを「ヤーバン」と言うのだと笑って説明した

クルーズ船は13:00 出港。パルマに向かう。
 (以下、省略)

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