紛争学生と、テロリストの正体

★キャズ君の記事、{▲ ホロニャック:[C-126]}、の最後の部分、
[往年の名画、「会議は踊る」で、ロシア皇帝と恋に堕ちた少女が、「唯一度の」、を謳う場面の話]、
を読んで、連想する事があった。


★それは、以前に私が書いた記事:{▲性悪説論者の弁(2):[B-25]、
或いは、▲ 出逢いの問題(4)社会環境の運(続):[B-12]}
  :の話である。

それらの記事に書いた通り、養老孟司氏やY君のように大学紛争の時に、若手として大学の現場に居た人達は、現在でも当時の全共闘の連中を許していない。


養老孟司氏やY君の執念深い心情は、「人間の旬は短い」、という想いへの共感がないと、理解出来ない。

然し世間一般は、普通、それ程厳しく捉えていない。
今でもマスコミ人種には、若者の青春の一齣と賛美する趣もあるくらいである。

キャズ君はホロニャックの話を聞いて、生涯に一度でも、其処まで燃える仕事に取組めたホロニャックに、心からの妬ましさを覚えた、という。
仕事でも、恋愛でも、何でも良い。 人生に於いて、唯一度でも、それだけ燃える時間を持てたということは、素晴らしい、と云っている。
人間には、そんな感度のある人と、ない人が居る。



★上記{▲性悪説論者の弁(2)}、に書いた紛争学生。
目の前に迫った卒業のためには必要な期末試験だが、他人の試験(卒業可能性)は粉砕する一方で、自分は試験を受けて卒業資格を確保して、
『自分の出来る範囲で運動をしている!!!』、と主張する紛争学生。

その様な『いい加減な連中』、によって、「人生で唯一度の5月」をぶち壊された養老氏らの無念さは、「人間の旬は短い」という想いへの共感、が無い人間には理解されない。

その悔しさは、第一線の研究者として活動できる時間の短さを、切なく感じる人でないと理解出来ない。   大学教授の肩書きでも、研究に熱意のない人達には理解できない感情である。

人生の春には、5月は唯一度しかないのだ、という想いが無ければ、
「ホロニャック」の感動も、 リリアンハーヴェイの歌う、「唯一度の」、の場面の感動も、 養老孟司氏やY君の怒りも、
理解出来ない。


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★処で私も隠居して、余り世界情勢をしっかりと勉強していないものだから、近頃全世界で頻発する自爆テロの報道を見ると、宗教的情熱とは凄いものだ、くらいに思っていた。
日本ではこれだけ、いい加減で酷い政治家が居るのに、憤慨して自爆テロをやる奴なんて一人も居ない。 イスラム教徒は、純粋だと思っていた。
実は、どうも違うらしいという事を、最近、初めて知って妙に安心した。

ブログを散策して居て、{▲自爆テロリストの正体①、②}、という記事を見たのである。

それに依ると、テロ事件の自爆犯達の、生い立ちや人生を調査していくと、「貧しく純粋なイスラム教徒」、とは凡そかけ離れているのが、実態らしい。
貧しいどころか、周囲よりもずっと恵まれた生活を送り、敬虔なムスリムどころか、かなり世俗的な暮しをしていた。

しかし何か、就職や失恋など個人的な挫折で、精神的に不安定になり、カルトや過激派に引き入れられた結果、自爆テロリストに変貌した、
というのが自爆犯達の実態だという


ムスリムといえば狂信的なイメージがまつわるが、一足飛びにテロリストになった訳でもないようだ。
過激派の指導者が、目星を付けた適当な若者を一本釣りして教育し、仕立てるのだという。
同じ境遇にありながら、組織に引っかかる者と引っかからない者の違いは「自我」にあるらしい。
早い話、ずばり「劣等感がテロリストをつくる」であり、「実態はチンケな若者の集合体」であるらしい。


この話を読んでいて、思い当たったのである

上に引用した、『自分の出来る範囲で、大学紛争に参加していた、いい加減な連中』とは、正にここに書いてある通りの連中ではないか。
『運動参加者は、平素の大学生活では全く出番の無い、劣等生ばかりであった』、というのも、正にここに書いてある通りの連中ではないか。


つまり何時の時代でも、テロリズムというのは、この手の連中をうまく煽てて使う、という戦術を取るのである。


紛争の最中では、紛争学生のいい加減さを訴えても、マスコミは、当事者の一方の主張としてしか扱わなかった{▲性悪説論者の弁(2)}。
それに対して、大学紛争に就いては、我々の仲間はいろいろと書いてきた{▲広島原爆60周年(3) :[A-16]など}。
正にその通りであったことが、今になって、世間でも分かったのである

変革とは時間が掛かるものである。{▲プライオリテイの尊重:[A-20]、参照}

この記事へのコメント

mugi
2006年07月22日 20:52
初めまして、上記の『自爆テロリストの正体』の記事を書いた者です。TBありがとうございました。

養老孟司氏が現在でも当時の全共闘の連中を許していないとは知りませんでした。確かに同じ目にあえば私も死ぬまで許さないでしょう。私も執念深い性質なので(汗)。

『自爆テロリストの正体』の著者は、彼らと日本のオウムのようなカルトの類似性も指摘してました。
Alps
2006年07月22日 22:09
「自爆テロリストの正体」を読んで妙に安心した。
上海事変時の日本の「爆弾三勇士」と比肩して、国家の為という使命感と、更に宗教的なものがあってとばかり思っていたものだから、正体が割れてみると矢張りそうだったのかと、何か割り切れた感がある。
爆弾三勇士も純粋に信じていたが、「我の友隊既に攻む」の歌詞にずっと疑問を持っていたが、結果的に三勇士は犠牲にされたのではないかとの記録があるという事を知った。
佐久間象川
2006年07月22日 22:23
mugi様
私共の仲間は戦中派の老人共で、近頃は視力の衰えの関係で読書も遠ざかり、情報の吸収が減っています。
mugi様の記事のお陰で、貴重な情報が得られ、我々なりに納得の出来る処に到達できたのは、有難く思います。

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