性悪説論者の弁(4)

感度の有無(7):小泉内閣[C-136]」に、又しても、人権屋の所業が取上げられていた。
法務大臣だった人権屋が死刑執行命令書に署名をしなかったのは、職務放棄だから、給料を返せ
と言うのが、キャズ君の主張である。

キャズ君の指摘する第一点は、
①大臣就任記者会見で、(得々と?)、死刑執行命令書に不署名を宣言する人間が、法務大臣を引き受けるのが、無責任だ、(任命する総理大臣も)、というのである。

②次に、どうも就任挨拶が批判されて風向きが悪かったので、内閣交代で辞任する寸前に、この法務大臣は、死刑執行命令書に署名したのではないか、との疑いがあるが、
それを報道しないマスコミが、無責任だ、
と言うのが、彼の指摘の第二点だ。

★その主張は誠に尤もで、論理が通っている。
ところで、②の最近のマスコミの無責任は毎度の事で、さて措くとして、
 ①の問題を考えたい。

確かに現行法の存在を前提とすると、この人物は法務大臣は引き受けるべきでない。
が、その論理では、悪くすると、真面目に人権尊重を考える人の、その他の局面での活動にも問題が生じるかもしれない。
そして、日本では、誠実な信念として人権を主張するのが、難しいことになるかもしれない。   それでは誠に困るのである。

そこで、私のアイデアを述べたい。 私の提案とは、次のようである

 ***************** 提案 *********************************

★先ず、日本国民は成人した時点で、自己申告により、
[A]、[B]、2群のどちらかに登録、することにする。


[A]群の人というのは、・ 現在の「死刑廃止論者」 ・
 ・ で、 この人が犯罪を犯した場合に、刑罰として、死刑は科さない。  そして、また、
 誰かが、この群に登録してある人を殺しても、その犯人は、絶対に、死刑にはしない
 ・ ・ ことを法律で決める。


一方、[B]群 の人は、 ・ ・
 犯罪を犯した場合は、死刑が有り得るし、 そして、また、
 この群に登録してある人を殺せば、死刑の刑罰も有り得る
 ・ ・ ・ ようにする



云わば、自他共に同じ基準で、刑罰を決めるようにする。

それも、[A]、[B]、のどちらに登録するかは、自己責任で選ぶ。
未成年者の加害者、被害者の場合は、その親権者の登録状況で決めることにする。

   ****************************************

突拍子も無い事を言うようだが、そうではない。
我々は、どこの国の国民であるかに依って、適用を受ける法律が違うのである。

死刑の有る国もあるし、無い国もある。
死刑のない国に住めば、自分も死刑になる事はないし、自分が殺されたって、その犯人は死刑にはならない。

それを善しと考えるか、その逆を善しと考えるか、である。



100~200年ほど前には、全世界から、自由を求める人達が、米国に殺到した。

同様に、(国籍でなく)、社会環境を、自分の選択として、どうするか決めよう、
 という提案である。



★死刑以外の法律だって、国に依って随分相違する。

例えば、交通信号である。
日本では、深夜、通行の途絶えた交差点の赤信号で、停車して信号待ちをしているが
米国では交通量のある昼間にも、信号の表示が赤であっても、自己責任で右折進行する。

そこで或いは、上の考え方をもう少し拡大、しても良いかもしれない。


運転免許証に、自己申告により、[C]、[D]、2群を作る。

[C]群に登録されている人は、路上駐車をしても厳しい罰を受けない。 が、深夜の道路が無人でも、交通信号が青になるのを、待たねばならない。
[D]群に登録されている人は、赤信号の時でも左折進行しても良い。 が、若し事故が発生した場合は、一切の酌量無しに、厳しく処罰される。


なんてことを、自己選択で決める、などである。


自分も厳しい規制を受けるが、その代償として、気持ちのよい環境に生活できるか、
或いは、自分もいい加減な事をしても許されるが、他人の横着のために不便な目に会う可能性のある社会に生きるか、
 の選択である



その何れの社会が望ましいかは、人に依って考えが違うので、同じ国の中でも、(国籍を選ぶように)、
自分が好ましい方を選べるにようする、という提案である。

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参考:
性悪説論者の弁(1)[B-24]
性悪説論者の弁(2)[B-25]
性悪説論者の弁(3)[B-26]

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