性悪説論者の弁(5)

今回の記事を書き始める前に、頭の中を過ぎったことを一つ、書いておく。  直接に記事の話題内容に直結する事ではないが。

★この歳になると、友人にも、かなり、その連れ合いを亡くした人も居る。
その様な場合に、弔問に葬儀に参列すると、印刷された故人を偲ぶ文章が渡される場合がある。
今までに私が、そうして戴いた追悼文の中で、最も素晴らしい文章は、
 某国立大学教授H氏の書いた、亡き奥様への追悼文であった。
私の家内はそれを読んで感動し、「私が亡くなった時には、貴方もこの様な立派な文章を書いて下さい」、と、念を押した。

ところが、H氏はその葬儀が済んで半年も経たない内に、つまり、
   私の年配の者の感覚では、喪中、であるのに、再婚
して
   ケロリとしていた。

流石、旧制第一高等学校出身の秀才とは、凄いものだと、
私は呆れると共に、言葉(文章)の虚しさに撃たれたのを、忘れられない。

その逆のケース:
立派な発言は一切しなかったが、伝説的なロマンスで結ばれた奥様を、若くして亡くしてから、持ち込まれる縁談を全て見向きもせずに、生涯を独身を通した、これも旧帝国大学S教授の話を、 ・ ・ 確かY君が、ブログに書いていた:
     のと、良い対称である。

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★本論に入る。

最初に、私の古い(2006/1/9の)記事:性悪説論者の弁(3)
、からの抜粋を示す:


   **************抜粋・引用*************

(元・東大教授)A氏が某所に、「教育問題」に附いての素晴らしい立派な論説を書いている。
 それを見て、私は本当に虚しい思いで心が一杯になった。
 というのは、次のようなA教授の過去の所業を、知っているからである。

東大教授であったA氏は、自分の指導した大学院博士課程修了者K氏が、 東大に残したい程に有能な人材でない為、 某国立地方大学へと就職の世話をした。
正確に言うと、Kは研究能力の不足以前に、人格的に可也問題のある人物であった。

全共闘シンパであるKを、受け入れる大学は無いのが、
日航ハイジャック事件、浅間山荘事件などの相次いで発生していた、当時の騒然とした世情の中で、普通の常識であった。

 しかし、東大教授の権力は強かったから、A教授はK氏を某地方・国立大学に押し込んだ。 そして東大の博士号は影響力が大きいから、Kはその勤務先の大学内に力を持ち、その不見識さに依って、大学組織にも、多数の学生達にも、大変な害毒を撒き散らした。
  (★[1981/8/10][2005/8/28] 「論文数と評価」:参照)


東大教授A氏は、自分の目の前に居た若者、K氏を路頭に迷わせず就職させてやった ~ 良い事をした、 位の気持ちであろう。
その結果として、どれだけ多くの人が迷惑を蒙ったか、の自覚は持っていない。
丁度、安易な人権屋が、彼の善意で社会に野放しにした犯罪者によって、犠牲になる被害者に無頓着なのと同一である。



★(例えば政府の科学研究費の配分などで、)東大教授は権限を握っている為、 地方の弱小大学に対して強い立場にいる。
そこから押付けられたら、地方の大学では断りきれない(本当は、これもおかしいのだが)。
人事には慎重な企業に就職の世話をするよりも、 地方大学に押し込む方が容易だ、 という事情も有る。

学生の就職の面倒を見る事自身は、悪い事でない。
但し、教育者として貼り付けるのには、それなりの本人の資質が必要である。
就職させるのが容易だという事で、いい加減な人間に地方大学教授の肩書きを与えることに依って、 送り込まれた大学の、何千人と言う学生が被害に逢うのだから、 その家族を含めると、何万人の被害者が出た。


この東大名誉教授A氏が上記の新聞に書いた文章が、余りに素晴らしく、論旨が立派であったのを見て、 私は非常に虚しさを覚えた。

あの立派な主張を展開なさるよりも、 無造作なご自分の行為のために、社会がどれだけのマイナスを背負ったかを、A氏に考えて頂きたかった


多分、私の承知しているのと同様な事は、他所の地方大学でも有ったのだろう。

   **************抜粋・引用・終わり*************


長くなったが、以上が前に書いた、私の記事の一部である。
何故、この話を蒸し返したのかと言うと、偶々昨日、ある資料を見ていて、その(元国立・地方大学の)K教授が今春定年退職になり、退職感想文を書いているのを見たからである。

それを見ると、K氏は思想的には、40、年前と全く変わっていない。

世界の歴史は、 ベルリンの壁は崩壊し、ソ連は消滅して、共産主義の過ちは人類の共通認識となり、 中国では文革は清算され、と、流れが進んだのに、 40年前の思想のまま、K氏は平穏無事に定年を迎え、退職した。

毛沢東の信奉者は、国内では、連合赤軍内部で互いにリンチ殺人し合ったり、浅間山荘に閉じこもったが裁判で結末が付き、・ ・、と、いったわけで、 生存者は北朝鮮にしか居ない、と思っていたが、 違っていた。

歴史のこの長い時間を、K氏が浦島太郎のように、現世と無関係に過ごし、数千人の学生に影響を与えてきたのは、
東大名誉教授A氏が、全共闘シンパであるK氏を、地方大学という竜宮城、に送り込んだためであった。


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「二人のピアニスト」は、「昔のダンスホール(3),(4)」で、
   『あの人は良い人だ、と言われる人は、信用できない』、
 と書いているが、

私は、『学校で、あの人は頭の良い人だ、と言われる人は、信用できない』、 と言いたい。



旧制第一高等学校の秀才であった、冒頭に述べたH教授にしても、東大名誉教授A氏にしても、 私等、田舎者のボンクラには、理解出来ない。:

H教授には感動的な美文の、「故人追悼文」を書かなくてもよいから、せめて、服喪期間が明けるまでは再婚を待って欲しかった。

東大名誉教授A氏は、文章が素晴らしく、論旨が立派な「教育問題」の主張を展開なさるよりも、 無造作なご自分の行為のために、社会に迷惑を掛けるのを慎んで貰いたかった。

ここでは触れなかった東大の秀才、宮沢喜一氏には、
 ご立派な発言をマスコミにするよりも、
    800兆円の借金を国民に背負わせるのを、しないで貰いたかった

     {参照:★ 「美しい国」への提案(5)叙勲の話[b]:[2007/5/26] }

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