佐久間象川

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zoom RSS 没落への途

<<   作成日時 : 2009/04/21 08:20   >>

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ピアニスト氏のブログ、▲ 署名の話(1):[A-95]:[2009/2/22]
に書いてある有働氏の話、K君の話、と本質的に共通する事が、最近多く目に付く。
例えば、末端の小役人が、歴史的な地名を無造作にいじくり回したりする。
この種の文化破壊が多発するようになったのは、戦後半世紀の日本社会の特徴である。

少し前に大問題になった東京駅前の中央郵便局の局舎の破壊は、鳩山邦夫総務大臣に依って食い止められた。
が、偶々見識のある鳩山氏が在任していたから良かったが、他の政治家だったら、文化遺産破壊の事態はそのまま進行していたのではないだろうか、と心配である。

 『歴史書や文学書などを読んだことも無い小役人にとっては、歴史的地名を消し去る事に何の抵抗感もないのだろう』、とピアニスト氏は書いたが、
小役人だけでなく、多くの現在の政治家だって、似た様なモノかも知れない。

東京都や大阪府の知事にお笑いタレントが選出されると、目立つので話題になるが、全国の各選挙区で選出される国会議員だって同種の(マスコミ的、芸能的)知名度による選出が行なわれており、
「社会的見識の持ち主は政治家になり難いメカニズム」、が働いている。

 欧米と日本とでは、社会を動かす力学の差がある。
  世界遺産「ドレスデン」を見て:[B-44][2006/07/3]
:に書いたように、私はこのことを強く感じる。
市民が再建したドレスデンの街と、
鳩山邦夫個人の資質で辛うじて破壊を免れた東京駅前の中央郵便局の局舎
  との違いに、それが現われている。

 ★ ★ ★ ★ ★

「戦後半世紀の日本社会の特徴」と言ったが、何が戦前の社会と変わったのだろうか。
 私には、二つのことしか考えられない。
一つは、『行為の責任を自他共に問わなくなった』、ことであり、
もう一つは、『外国製民主主義』の導入、である。
戦後の日本社会で、『責任をとっての切腹』、が無くなったことは、我々の仲間のブログで何度か取り上げられた。
『外国製民主主義』の導入で、全ての人に平等に一票を与えた結果、政治家よりも芸能人が政治を牛耳る国、になった。
この二つの要因によって日本は、論理ではなく、漫画が社会を動かす国に成ったのである。

1944年に近衛、吉田、岡田、高松宮、三笠宮、・・・の多くの人達の終戦への努力があったのに、それはバカ共によって圧殺された。
その為に、東京大空襲、二つの原爆、沖縄、硫黄島の悲劇が生じた。
   
     {▲日本民族の合理性と東条首相(3) 
       : [A-78]: {”東条英機暗殺の夏”という本の読書メモ}  参照
拉致問題だって、1944の終戦が出来ていれば生じなかった悲劇である。

しかし、戦後の日本人は、1945年の原爆投下非難は叫ぶが、
1944年に終戦への努力をしていた人々を圧殺した人物たちへの非難は口にしない

     {本日、麻生総理が「靖国神社に参拝」、とのニュースを見て驚いた。
      彼が漢字を読めないことは知っていたが、
      祖父が1944年をどのような思いで過ごしたか、を知らないのに呆れた}

この様に、民主主義というものを自分等の血と汗の歴史の中から作り出してきた民族と、
1945に突然押し付けられた民族とでは、
同じ薬(民主体制)を服用しても、身体への利き方が違うようである。


 ★ ★ ★ ★ ★

その様にして出来上がった現代日本の姿の一例が、
   冒頭に引用したブログの内容(文化破壊の多発)である。
戦後の教育行政に関わった政治家・官僚が、大学卒業者の数の多い国は文化レベルが高いと思って、
本など読んだことの無い人間に大学卒の肩書を与え、
社会の在り方等考えたこともないミーハーにも社会的地位を与え、
発言の権利を保障して処遇した


昔は大學とか高等専門学校とかは、日本中で限られた数しか存在しなかったので、中学生でも全ての高等専門学校の名前を知っていた。
1960年代には日本の大学の数と駅弁の種類の数とは略同数に殖えた。
現在では、全然桁が違う。 今日では大学教授でも、日本中に存在する大学の10%の名前を挙げる事も出来ないであろう。

大學の数が多い事自体は、良い事でも悪い事でもない。
只、其処から排出(ミスプリントではない)される卒業生の質が問題なのである。
往年の小学校卒業の学力も無い「大学卒業者」を最初に出したのは、1950年代の「ラーメン大學」であった。
文部官僚は大學を一つ作ると、そのことが業績として評価されて昇進する仕組みの中で、その後、これだけ多数の大學を作ったのだ。

若しも、質の悪い卒業生を出せば大学の認可を取消すという規則と、
その様な大學の設立を認可した文部官僚は切腹するという1945年までの社会慣習とがあれば、
ローマ字の読めない大卒などは生まれなかったのだが、
現在となってはいかんともし難い。


 ★ ★ ★ ★ ★

お笑いタレント人気投票と代議士選出の投票との区別も付かない国民に平等の権利を与えたのが間違いだったのだが、現在となってはいかんともし難い。
それは、太平洋戦争などを始めなければ、又は戦争を始めたにしても、せめてもう一年前に戦争を止めていれば、北朝鮮問題(拉致も核も)は無かったのに、と今になって愚痴をこぼすのと、同じことなのだから。

お笑いタレントを東京都知事や大阪府知事に選出するくらいに内は、未だ回復への途があったかもしれない。
 しかし、
  汚染米転売事件からの連想 :[B-85]
  中山大臣辞任事件からの連想(続) :[B-87]
に書いたようなことが進行した。
遂には、漢字も読めない、マンガしか見ない男が総理大臣になるところまで来てしまった以上は、
日本はカルタゴの歴史、ローマの歴史を、21世紀に再現することになるのだろう

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「没落への途」について
「没落への途」について >若しも、質の悪い卒業生を出せば大学の認可を取消すという規則と、 その様な大學の設立を認可した文部官僚は切腹するという1945年までの社会慣習とがあれば、 ローマ字の読めない大卒などは生まれなかったのだが、現在となってはいかんともし難い。 >遂には、漢字も読めない、マンガしか見ない男が総理大臣になるところまで来てしまった以上は、 ...続きを見る
*自由の翼*ITUKYUU
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戦後日本の社会が現在の姿の方向に向かう分岐点が何処に在ったか。 一つのヒントは
▲http://blog.goo.ne.jp/gookyaz/e/e741d72dedb3399cbfa905064524f472
:[A-62]:[2007/08/28] :終戦62年と柳澤恭雄氏の死
に書いた辺りだと、私は思っています。
二人のピアニスト
2009/04/27 04:29

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