改正検察審査会法施行

改正検察審査会法が施行され,平成21年5月21日から新しい制度が始まった。

毎度、日本の法制や法科系人間を批判し、その様な趣旨のエントリーばかり書いてきている私だが、このことについては大歓迎である。
 その理由を述べよう。
例によって不勉強なマスコミは、裁判員制度と同列の捉え方で報道しているが、それは全く違うのでらる。

  ● 起訴議決制度、 について説明する。
検察審査会が行った起訴相当の議決に対し,
   検察官が不起訴処分をした場合,
   又は法定の期間内に処分を行わなかった場合,
検察審査会は再度審査を行い,
  その結果,起訴すべき旨の議決(起訴議決)が行われた場合には,
裁判所が指定した弁護士が被疑者を起訴すること、
      を決めた制度である。


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以前に
   公務員職務不履行罪の提案:[B-73]:(2008/1/10)
に書いたように、
  多くの法務官僚は、「正義のため」、ではなく、
      「自己保身のため」、を尺度に
  犯罪者を起訴するか、しないかを決めている
ことを、
私は知っている。

世間の裏を知っているのと、知らないのとでは、同じ報道を見ても理解に差がある。
 例えば、
最近の民主党・小沢氏の政治資金問題の報道を見ても、若い人たちは小沢氏の態度に不快なものを感じるに違いないが、
世間の表裏を見てきた年配者は、“大多数の代議士のやっていることなのに、狙い撃ちされた小沢氏が不運”、と捉える感覚が根底にあるので、
同様に批判はするものの、若い人たちとは差がある。

しかし、そのように世間の裏も知る年配者層であっても、多くの国民は
上記のような法務官僚の挙動は知らないであろう。 
普通の市民にとっては代議士と違って、法務官僚を身近に見る機会は非常に少ないからである。

偶々このことを知りえた私が考えてみると、
  代議士連中が選挙に当選するために裏でやることも、
  法務官僚が保身を尺度に起訴・不起訴を判断することも
根底は同じで、人間性の弱さに在る。

 従って、それを防止するためには罰則を用意しておかなければ駄目である。
 その様に考えて、私は
   「官僚の不作為」も犯罪に:[B-75]:(2008/3/13)
を提案したのであった。

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最近の例でも、キャズ君が書いていた、「福岡の3児死亡事件」:
  ・ ・ ・ {▲日本の司法制度:[C-180][2009/5/15]、 参照
などは、このような事情を知らない人には、理解できないであろう
あの被害者の両親にしても、良識のある世間一般の社会人にしても、
何のために、「危険運転致死傷罪」、を作ったのか理解できずに、“苛立ち”、
を覚えたであろう。

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しかし、怠慢法務官への罰則だけが唯一の方策ではない。 
法務官僚が避けても、民間人が起訴を行えるとなれば、それは重要な意味を持つ。
従来ならば、一法務官僚の個人的事情で起訴を免れてしまった犯罪者も、これからはそれでは済まなくなる。

 この点が大変に大きい。

”裁判員制度”が、
     「時間のかかる裁判」、
     「非常識な判決の続出する裁判」
   への民衆の怒りに対して、非論理的な方法で恰好をつけた政策であるのに対して、
この”起訴議決制度”は、 実効を伴った制度である。


勿論、検察官が不起訴処分にした案件を、今回の改正法の手続きによって起訴して有罪が決まった場合は、その検察官には処罰があるべきであるが、残念ながら、今回の改正ではその点が欠けている。
 しかし、これは後から手直しすればよいことである。

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