「司法」と「報道」(3)

起訴事実を認めないと長期に身柄を拘束するのは、検察の
必要な手法であると共に、理不尽なことを行う手段、でもある。
従来から、多くの被害者が出ていた。 O君もその一人だ。
良薬は常に、毒になる可能性がある。 其処の目付役として、
報道の出番がある。  「無実」と「無罪」とが、天地の大差がある
こと、を知らない馬鹿が、公共放送をしている現状は心許無い。
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「司法」と「報道」(1) :[B-133]:、に、
    民主主義政治は、   ①普通選挙制度の下で、
    ②司法、③立法、④行政の三権が分立し、
    ⑤自由と責任感を持つ報道が行われる、という条件が整った、
         「成熟した社会でのみ可能」な制度だ、 と述べた。
特捜神話の終焉 : [B-131]、に書かれた、
    ライブドア事件、河合良成氏、O君に対する、検察の捜査は、
      「有罪という結論ありき」、の、実に無理なものだった。
    この内、河合良成氏の帝人事件は昭和7年の戦前だが、
    他の2件は戦後で、日本が建前としては、民主主義国家に
    なっていたのに、同様なことが行われていた。
  それは、上記の⑤の条件が機能していなかったため、である。

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9/25のNHK子供ニュースの番組で、
           アナウンサーの無神経が、気になった。
   子供に対して情報が正確に伝わるように、との配慮が
   欠けていて、表面的な事実だけを話している。
   自身がそれに気付いていないのは、職業人として
   実に恥ずかしいこと、と思わねばならない。

私が言いたいのは、村木局長は「無実」だ、と言わなければ
   ならないところを、あのアナウンサーは「無罪」
   と言って、済ましている。
   無実と無罪とが、天地の大差があること、を知らない馬鹿が、
   公共放送で子供に影響を与えるのは、好ましくない。

犯罪事実が有っても、法律上無罪になる場合が非常に多くある
   ことは、世間の常識で、子供でも知っている。
   被告が無罪になったからとの理由で、検察官が
   逮捕されるということはない。
   今回の郵便不正事件では、無いものを有ると言ったから
   検察官が逮捕されたのだ。
   無実というのは、無罪と違って、法手続きの問題ではない。
 
拉致被害者にしても、薬物汚染被害者にしても、被害者や
   家族の口惜しさを他人は十分の一も理解しない。 
   世間一般では、それは仕方ないことだが、
   報道関係者はそれが職務なのだ。

以前にも触れたが、NHKは“正しい日本語”とかいって
   物凄く専門的な難解な言葉の話を、視聴者相手に放送
       するのをやめて、その代わりに、
   局内のアナウンサーに、普通に使われる平易な日本語の
       正しい用法や、アクセントを、教育すべきだ。
   いや、それ以前に人間としての、感性に問題のある
   人物は整理すべきだ。

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郵便不正事件の判決で、9/10に、村木厚子元局長の無罪が
   出てから、メデイアでは、大阪地検特捜部の強引な
   取り調べや、証拠品の取扱いの不正など、
   課題だった検察報道に、初めて正面から向かい合った。

検察は何故誤ったか。 今になって指摘されたのは、
   予め事件の構図を描き、それに沿う供述調書を
   作ってしまう手法だ。
村木氏も「文芸春秋」10月号で、「どんなに説明しても、
   結局検事が書きたいことしか書いて貰えない」、と
   調書作成時の体験を語っている。

こうしたことは人間のすることでは、起こりがちなことである。
   それを防ぐために、本記事冒頭に引用した、
   今回シリーズ第一回の記事に述べた、⑤の条件、
   「自由と責任感を持つ報道が行われる」、ことが必要
   なのだが、 従来はそれが欠けていた。

今になって、村木氏が5カ月以上も拘束されたことについて、
   「逃亡や証拠隠滅の惧れも無いのに」、とメデイアは
   非難するが、報道がきちんと機能していれば、
   その様にならなかった。

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村木氏は昨年6月の逮捕から無罪を勝ち取るまで一年3カ月、
   保釈金1500万円のほかに弁護士費用も払ったが、
   判決後に、「私は運が良かった。 経済的な負担は大きく、
   家族や友人の支えがなければ裁判を闘えなかった」、
   と語っている。 私はその他に、村木氏の優れた頭脳と、
   意思力が有ったと思う。
   運が良くて、人並み優れた知力、財力、交友が
   無ければ、無実でも勝てない裁判、とは何だろう。

起訴事実を認めない限り長期に亘って身柄を拘束する
   ことは、検察として必要な手法であると共に、
   場合によっては、全く理不尽なことを行う手段
   (人質司法)、でもある。
   良薬は常に、毒になる可能性がある。

一律に言えないからこそ、其処の目付役として、
             報道の出番がある。 
   今回初めて、メデイアがこの論議をしているが、
   従来 から、多くの事件で、被害者が出ていたことを
   次回の記事に述べる。
拉致被害者にしても、薬物汚染被害者にしても、被害者や
   家族の口惜しさを、世間一般では十分の一も理解しない。
私の場合、友人のO君の無念さを、今は亡き彼に替わって
   述べたいので、 このしつこい話をするのだ。

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