学者とメデイアの責任

▲ 「ジャーナリズム」の罪と罰:[B-144]、  に書いたのと
  同様な発言が、かつてジャーナリズムの内部からもあった
  ことを知ったので、此処に書きとめて置く。
  田勢康弘氏の著書:「政治ジャーナリズムの罪と罰」
  (1994年2月) {▲ 「報道」の罪と罰:[L-67]}
  から10年後になるが、

  毎日新聞2005/5/29の、「酸いも辛いも」欄で、
    「学者とメデイアの責任」
  と標題が付いている一文。 同紙論説室の玉置和宏氏
  の所説で、 要約すると、以下のようなことが書かれている:

       ★ ★ ★ ★ ★

公共事業をしなくとも景気は回復する。
つい先日までゼネコン推薦と見まがうような経済学者や
  TVコメンテーターたちが、「公共投資はツーリトル
  ・ツーレートだ」などと、米国の財務長官の口真似をして
  言っていた。 が、本家のローレンス・サマーズ長官も、
  本当はケインズ政策はとっくの昔にお蔵入りさせて、
  「あれは日本だけのことだ」と言って、財政削減の
  先頭にいたのだ。

しかし、最大の罪は新聞で、97年以降の新聞が
  「大減税よ、大公共事業よ。デフレ対策よ」といって
  騒いで いたのは、証拠が縮刷版に残っている。
  米国も英国も80年代にはケインズの亡霊から脱却した。
  フリードリッヒ・フォン・ハイエクは公共事業をすることは
  百害あって一利なし、という。 その自由主義経済理論は、
  日本のケインズ学者からはぼろくそに言われ、中には
  “右翼学者”などという進歩的(?)経済学者もいた。

74年にハイエクがノーベル賞を受けると、
  その評価のコメントをとるために新聞は奔走したが、
  経済学者には、適当な人がいなくて弱った
ハイエク経済政策を最初に日本に持ち込んだのは
  サッチャー首相で、79年の東京サミットの経済討議だった。

92年の宮沢政権から小渕―森ラインの「税金ばら撒き路線」
  に至る10年間で日本財政を壊してしまったのは、
         歴代首相の責任だけではない。
  債務地獄への道を先導した政治家、官僚、
                   そしてメデイアだ。

       ★ ★ ★ ★ ★

この論説の書かれた時点で、国債は500兆円だった。
  そして、論説は「説明責任」という責任を取らなければ、
  財政再建に協力する人が居なくなる、と締めくくっている。
  その後も、そして現在に至るまで、その責任を取る人
  がいなかったので、論説の予言どおりに、国債残高は
  2倍に膨れ上がり、来年度予算でも、それが進行する。

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