センター試験

本日1/15からセンター試験が始まる。
  これの前身の共通一次試験が構想された時には
  識者の猛反発があったが、それら正論を押し潰して
  この悪制が定着した現在、当時の事情を知る者は
  後期高齢者だけ、となった。
                  参照
     ▲「大学入試に思う」:[C-12]
               :{1978/3/29}[2005/7/7]
     ▲大学入試センタ-試験(1) :[C-117]
     ▲大学入試センタ-試験(2) :[C-118]
     ▲大学入試センター、の仕分け:[C-206]

  その説明をすると長くなるので、此処では省略するが、
  結論だけを言うと、あの当時識者が指摘していた懸念
  全てそのまま実現して、今日の我が国の衰退を齎した。

人によって政策上の意見の相違はあっても仕方ないし、
  間違った意見を唱えた人間を後から批判する気はない。
  しかし、大衆に被害を与える政策を推し進めて
  おきながら、陰で自分だけは被害を蒙らないように
  動いた卑劣な人間が居た事実と、その名前は、
  明白に歴史に留めておかなければならない。

あの頃の教育行政で学校群制度なるものを強行した
  政治家、小尾、や永井は、自身の身内は、
  その適用を免れる方法を講じていたし、
  霞が関の役人も、我が子だけはその被害を
  受けないように手を打っていた。
参照
  ▲わが子は私学*教育行政:[B-19] [2005/07/23]
 
そのことは彼らの身近にいた周辺の人だけが知る
  のでなく、メデイアでも報じられたが、暫くすると
  世間一般では忘れられてしまった。
  丁度その時期に、わが子が制度いじりの被害
        に逢う年齢の父兄は厳しく怒ったが、
  直接関係のない一般大衆はあまり気にしなかったし、
  知っても、簡単に忘れたから。

報道関係者は、センター試験の当日雪で交通がマヒ
  したなんてことばかり報じていないで、
  この制度の歴史を少しは学んでほしいものである。

      ★ ★ ★ ★ ★

この教育制度の導入された頃の、一連の文教政策
  の弊害
は着実に我が国の文化レベルを低下させた。
  学生の学力レベルが世界の中で極めて低下して
 しまったのは、各種データで折に触れ報じられている。
  研究者のトップレベルも、往年の勢いはない。 
  「最初から役立つことを考えたのじゃなくて、
       たまたま結果としてそうなった」という、
  ノーベル賞授章者、鈴木章氏の言葉は大変に重要である。

08年物理学賞受賞の益川敏英氏は、
  「受賞は数十年前の仕事が確実に認められたこと
  であって、日本の今の研究レベルがどうか
  ということではない」、という。

つまり、共通一次以来の流した害毒、の効果は、
  若者にも、最高レベルの研究者にも現れている。
あの頃から、我が国では優秀な若者が理系に進まず、
  理工系学部の出身者でも成績の良い者はメーカー
  よりも株屋など経済関係の職場を求めるように
  なったからである。

当時、その風潮を気にしたY君などがいろいろと
  書いていたが、政治家と違って社会的影響力のない
  技術者の発言は何の役にも立たなかった。

      ★ ★ ★ ★ ★

この様な状況を、我が国では、政治家が厳しく
  認識していない
ことも、非常に問題である。

オバマ米大統領は就任後間もなく、『米国の学生は
  外国の学生に、とくに数学や科学の面で後れを
  取っている。こうした状況は改める必要がある。
  米国の将来は米国の教育制度の改革にかかって
  いるからだ、と強調。 わが国では、メディアの調査
  によれば、工業化と都市化、近代化のうねりの
  中にあって、建設や科学研究に携わる多くの
  エンジニアが必要とされている。   だが、優秀な
  学生の多くは、仕事のきつい水利・水力発電や
  測量・製図、鉱山といった、工業関連の専門に
  身を投じようとはせず、金融や銀行、法律など
  「名があり、利がある」人気のある業種へと
  流れている。 スマートでファッショナブルな
  「ホワイトカラー」、「ゴールデンカラー」になりたい
  と思っているのが実情だ』、と心配している

      ★ ★ ★ ★ ★

政治が良いの悪いのと言って弁じていられるのは、
  こちらが老人だからである。
  いくら悪い制度であっても、その中で生きて
  いかなくてはならない若者は、この寒い中の
  一日だけでなく、人生の一番大切な数年間
  の時間を、あの無意味な試験に付き合わされて
  無駄遣いさせられるのである。 気の毒である。
戦争中の若者が、赤紙一枚で戦場に送られて、
  餓死したのと同様で、気の毒である。



春寂寥の洛陽に、昔を偲ぶ唐人の、傷める心、
  きょうは我
』、青春の日に歌っていた高校寮歌が、
  この年齢になって、私には実感を伴って胸に迫る。

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