何が正しいか(1~3)への補注

余り一般的でない用語を用いたので、その説明をする。
「預け金」、について、である。
大学などの理科系の研究者が、買ってもいない物品を買ったように見せかけて業者に金を渡し、預かってもらうことである。
何故その様なことをするかというと、主に二つの理由がある。

 は、研究者の使用する研究費は、国に一年間の研究計画を提出して審査され、認められた場合に支給されるのだが、翌年度も認められるとは限らない。
 その様な場合にも研究を続行するためには、資金をプールしておくことが必要になる。
 は、支給される研究費には使用上の制約がいろいろと付いていて、目的外の使用は論外だが、目的に沿うものでも、使用期間に制限や、人件費、旅費はダメだとか、細かな制約が多くある。

 ▲ 何が正しいか(2):[B-182]、に述べたように、
       本当に仕事を第一に考える人は
これら①、②の対策として、「預け金」を用いた
業者の側も、この違法な預け金で研究者の便宜をに協力することに依って恩義を売れば、高額な実験機材などを買って貰える。

こうした預け金は、過去にも度々問題になり、 文科省は
03年度から、預け金が見付かれば一定期間研究費を出さない罰則を科すことにしたりした。
また11年度からは一部の研究費を翌年度以降の研究用に保管してもよい、という制度を作った。

問題は、これらの制度に手を入れた根拠が、
『如何にして、違法行為を防ぐか』、
       の発想から出発していて、
『研究に課す法制度の目的は何であり、何が正しいか』
      を追及したものでないこと。
研究の成果が上がり易い環境を作る、
       のが目的ではないことだ。


太平洋戦争への突入の過程や、戦争の終結を振返っても、同質の非合理性が目に付く。
何か、そのために、真っ当な人々が、何時も
     「何が正しいか」、に悩み続ける。
日本の国民性を根本から修正しなければ、
   個々の事案に対して対応を正しても駄目なのかもしれない。

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