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ずっと昔に知っていても不思議は無かったことなのに、80の手習いで、今回初めて知った。 ハ調の曲を、主音を一度高くすれば、ニ調になるのではないということを、私は初めて知ったのである。 偶々書店の店頭で、「音律と音階の科学」(小方厚著、ブルーバックス)を見かけて買い、これを読んだからである。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 私は音楽が好きである。 世間に良くある、音痴のカラオケ好きとは違って、自分では音痴ではない心算で居る。 ウイーンやパリのオペラ座でオペラを見たりもしている。 私は妙に器用な所もあって、小学生の時から、初めて聞くメロデイーを直ちにドレミで言うことが出来たし、簡単な和音を言い当てることも出来た。 聞いたばかりのメロデイをハモニカで吹いたり、ピアノで単音で弾くことも出来た。 現在も楽器を嗜む事はしないが、それは育った時代の影響もあってのこと。 ある程度の音感はある心算である。 そうは言っても、私の音楽は所詮はド素人の横好き程度で、楽典や音楽史の勉強などは全くしたことがなく、老年に至った。 そうであるから、ハ調の曲が自分で歌うのに低くて歌い難ければ、ニ調にして歌えば良いではないか、と思っていた。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ところが、何かの機会に “何調だから情感がどう”、 という話を見聞きすると、私には、何事か、理解出来なかった。 主音の位置が違っても、同一メロデイならば、曲としては同じ事ではないか、と思っていた。 『ハ調とニ調では厳密にはそれぞれのドレミ・・・間の周波数間隔が異なる』、 なんてことは知らないから、ハ調の曲だから情感がどうだとか、イ調の曲だからどうだとか、書いてあるのが分からなかった。 ハ調はニ調やイ調より「濁っている」 とか、言われても、理解出来なかった。 人間の可聴周波数帯域の中に占める相対的位置として、 曲の音域の高低が、調子によって違う事はあっても、 ハ調とニ調とでは殆ど同じではないか、 と思っていた。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ テレビや電子レンジの電気回路や動作原理を知らなくても、家庭の主婦がこれを使うのには何の問題もない。 主婦はそれを知らない事に、ひけ目を感じることもないし、知る必要もない。 しかし、それとは違って、音楽の調によって曲想が変わると言う話は、出来れば知りたい話だと思っていた。 『出来れば知りたい』程度の気持ちでは、図書館に出向いて調べることもしない。 偶々書店の店頭で、「音律と音階の科学」と出合ったのが幸運であった。 @「音律」、A「音階」、B「平均律」、C「純正率」 これ等は聞いた覚えはある言葉だが、どの様な意味を持つか説明を求められれば、今までならば答えられなかった。 上にも書いたように、育った時代の影響もあって、戦中派の私の年代の人間の多くも、答えられまい。 現在ならば、私は答えられる。 ハ調の曲を、主音を一度高くすれば、ニ調になるのではない、ということも説明できるようになった。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 自慢たらしく書いたが、戦後に生まれ育った現代の多くの人にとっては、多分、基本的な常識であろう。 その常識を会得した事が私には、大変に嬉しいのである。 処で、日本人全体では、本当はどうなのだろうか。 『日本が米国と戦ったことがあるのを知らない者が日本人全体の38%だ』、ということを調査報告した新聞社が、カラオケボックスに行って、 『ハ調の曲と、ニ調の曲とは情感が異なる』ことを知っている人の比率 を調査してくれる事を心待ちしている。 |
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触発されて、捨てずに残しておいた本がある筈だと思って探したらあった。「下総皖一著:楽典解説(音楽之友社刊)」購入月日は1948/5/9となっている。今から60年も前の本だった。 |
Alps 2008/06/25 15:22 |
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