佐久間象川

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zoom RSS ピアニスト・ブログの継承(8)

<<   作成日時 : 2013/09/26 08:20   >>

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ピアニスト・ブログの(7番目)の記事: 
★[A-7] 昔の人に、また逢はめやも(2)『無名の母親』 
 昔の人に、また逢はめやも(2)『無名の母親』:[A-7]:[2005/04/27]:
、である。
   ★ ★ ★ ★ ★ ★  (ピアニスト・ブログの記事、のコピー)

前回は「司馬遼太郎」という有名人の話を書いたが、今回は逆に全く無名の田舎の女性の話です。
司馬氏の話を書いている時、私の頭に突然1人の「母親」の顔が浮かびました。
 半世紀も昔の、全く忘れて居た事なのに、です。

出来ごとは、ある夜、私が家業の薬局の店番をしている時、ある青年が薬を買いに来たことに始まります。
彼は財布を忘れて,お金を持ってないので、薬を貸せ、と言いました。

初めての客であり、顔見知りでもないし、代金を払わぬのに品物を渡す訳には行かないので断わると、彼は、
「明日金を持って来るから貸せ、と言っているのだ。
医薬という人命に関わる業務をしている者が、他の店がもはや皆閉店しているこの時間に助けてくれないとは、何ごとか」、
と喚いて、店頭で大騒ぎした。


翌日、その青年の母親が「昨夜は息子がご迷惑を掛けた」と謝罪に来ました。

それだけの話です。  しかし、− − −


何処の誰とも知らぬ人で、謝りに来なくとも別にどうと言う事は無いのだが、
わざわざ息子の非礼を詫びに来た「昔の母親」は立派だったと思うのです。



★最近の世相では、無関係な他人を殺傷する加害者に反省の態度が全く無い。
「一度死体を見たかった」、なんて理由で殺人をする犯人もだが、その親達が事件後に被害者に対しては謝罪の気持が無いのを見て「日本の親達は変った」と思う。昔なら切腹でしょう。

司馬氏は無恥になった日本(前回記事▲@▲C)を憂いた。
司馬氏の話で、突然に上記の昔の「母親」の顔が浮かんだのは、
意識下にこの半世紀の日本の文化の(親の)変化を思ったためだろうか。



日本文化の無恥化は進んだ。
昭和47以降の土地投機を強く嫌っていた司馬氏は「日本は滅びる」と言い続けた。 太平洋戦争を起こした日本、それに負けた日本のあの事態より、もっと深刻な事態だ、
次の時代はもう来ないのではないか、
 と司馬氏は憂いた。



数年前の東名バスジャック事件で、殺された女性乗客の息子は死刑廃止論者だが、
自分の母親が被害に遭った時には、警察が犯人を射殺しなかった事に不平を言った。
この息子のような奇妙な「人権屋」達の偽善が警察の手足を縛り、あの事件の時も対応を鈍らせたのです。

私は司馬氏の憂いに共感する。



★叙勲制度の制定に反対した社会党の代議士達者が、より良い勲章を貰うように官僚に運動する。 死刑制度反対論者が自分の肉親の被害の時だけは警察に犯人の射殺を求める。
 全て、同様の厚顔さです


「自分が不治のガンに侵されていると分かった時には、延命措置より安楽に死ねるようにして欲しい、と望む人が83%」。
一方「肉親が同様な状況の時、措置の判断は自分ではせず医者に任せる、が61%」という30年前の数字も、
戦後日本の厚顔無恥なメンタリテイを現しています。



★:
 ▲日本は外圧が無いと動かぬ国。ラビンの葬儀・ローマ法王の葬儀に首脳が参列しなかったのは全世界で日本だけだった。 (政治、経済に外圧が無かった)
 ▲日本は論理では物事が進まぬ国。:
  フロン・ダイオキシンなど環境問題対策も、飛行機内喫煙の制限も、先進国中で最後だった。
 ▲日本は復元力の無い国。:
  中国では文化大革命の目茶苦茶があっても、その後に4人組裁判が来る。 ドイツではナチの責任追及が今も続く。 米国に人権問題や創造科学問題が有っても、自発的な改良が進行する。
 ▲そして日本は責任の追及の無い国だ。:  1940年代に戦争を賛美したマスコミも、1960年代に文化大革命や毛沢東語録や北朝鮮社会を礼讃した文化人も無罪放免どころか起訴さえ無かった。  「死ねば皆、仏様」と責任を問わない寛容さ、こそが問題です。


★私は20世紀の末に参加したミッドウエイの慰霊祭で、参加者の中に
 「許婚者をここで亡くして、一生を独身で通した」
 という老女達を多く見ました。

独身で過ごした老女も、拉致被害者も、ニュースは一過性だが、本人にとっては一生の問題である。 

30年も前に「もはや、戦後ではない」等と、したり顔で言った日本の官僚にも、
「戦争責任者も死ねば皆、仏様」と気楽な総理大臣にも、
改めて怒りを覚える。

只一度の人生を独身で通した老女の悔しさ、を思わぬ日本の官僚の小賢しい物の言い方に比べて、ミッドウエイの慰霊祭で米軍関係者の思いやりに満ちた挨拶は、非常に立派なもので感動した。
 あの米国軍人の様な人は日本から消えたのです。


上記の何項目かに亘り数えた、日本の伝統文化の劣化はそれら日本人を育てた母親の責任です。
ブランド品を買う資金を得るのが目的で[女性の社会進出]をするよりも、母親として子育てをする「専業主婦」業の方が、遥かに立派な仕事です。


その辺の価値判断の間違いが、今日の日本の世相の悪さと少子化社会を作った。

半世紀前に見た、あの名前も知らぬ田舎の「母親」に、又会いたいです

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佐久間象川
2013/10/03 20:39

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